「恩」を英語にすると、「受けた好意」という意味の”favor”(イギリス英語:favour)や、「恩義」という意味の”obligation”、広義で”your kindness”(あなたの親切な行為)や”what you have done for me”(あなたが私にしてくれたこと)などがあります。
しかし、日本語にはさらに「恩に着る」「恩を売る」「恩を返す」などさまざまな表現があるので、英語でどう表現するのだろうと疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?そこで、今回は「恩」を使った慣用表現の言い方を解説します!
「恩に着る」の英語は?
「恩に着る」とは「受けた恩をありがたく思う、感謝する」という慣用表現です。そのため、英語で「恩に着る」と言いたいときは、「感謝する」などと表現することになります。
恩に着るの英語表現1つ目は、会話でよく使われる、”I owe you one.”です。”owe”は「お金などを借りる、おかげをこうむる、恩義を負っている」という動詞で、直訳すると「一つ借りができた」という意味になります。会話の中では、この表現を「恩に着るよ」に近いニュアンスで使います。ちなみに、”owe”の発音をカタカナで表記すると「オウ」というイメージで、最後の”e”を発音しません。
【例文】
A : Thanks. I owe you one!(ありがとう。恩に着るよ!)
B : Oh, never mind!(気にしないで!)
恩に着るの英語表現2つ目は、”be grateful to~for…”です。意味は「…に対して~に感謝する」で、「恩に着る」のようなニュアンスになります。”grateful”の前半部分は、「素晴らしい、偉大な」の”great”と同じ発音ですが、スペルが異なりますので書く際はご注意下さい。
【例文】
I am deeply grateful to you for your kindness.
(ご親切にしていただいて恩に着ます。)
恩に着るの英語表現3つ目は、”be indebted to~for…”で、「…に対して~に恩義がある」という意味です。”indebted”は、”doubt”や”climb”のように”b”を発音せずに、カタカナで書くと「インデティドゥ」と言うようなイメージになるのでご注意ください。
【例文】
I am deeply indebted to you for your useful advice.
(あなたの有益な助言、恩に着ます。)
また、「恩に着る」とは感謝を伝える慣用表現なので、難しい表現を使わず”Thank you very much for your kindness.”のように伝えても良いでしょう。
「恩を売る」の英語は?
「恩を売る」とは「後々の感謝や見返りを期待して恩恵を与えること」ですが、英語で言おうとすると少し長くなります。もちろん「売る」の部分を”sell”と言っても通じません。
日本語の「恩を売る」に近いニュアンスを表現するなら、“To do something in order to gain an obligation of gratitude from that person”となります。直訳すると「その人から感謝の恩義を得るために何かをする」で、「恩を売る」のイメージです。
【例文】
I helped him in order to gain an obligation of gratitude from him.
(彼に恩を売るために助けた。)
また、難しい言葉を使わずに、”I have done a lot, so he can’t say no.”(彼にはたくさんのことをしてきたから、彼は断れないはずだ)などとしても、「彼には恩を売っておいたから、彼は断れないはずだ。」のようなニュアンスになります。
「恩を返す」の英語は?
「恩を返す」は、「受けた助けや優しさにお返しをする」という意味です。この「恩を返す」を英語で表現するときは”return the favor”を使います。
【例文】
I want to return the favor to them.
(彼らに恩返しがしたい。)
また、会話表現では”pay ~ back”(~に恩を返す)と言うことも可能です。”pay”は「支払う」という意味以外にも「報いる、恩などを返す」という意味もあります。
【例文】
I’d like to pay you back for this some day.
(いつかこの恩返しをしたい。)
まとめ
慣用表現を英語にするのは難しい場合もありますが、簡単な言い方から覚えて使ってみてくださいね!実際に使うことで、難しい表現も少しずつ覚えることができるようになります!