「扶養家族」や「扶養控除」というのは、税金関係の話をする時に使う言葉ですよね。税金の話というと難しそうに感じるかもしれませんが、案外日常的に使う単語で表現することができます。そこで、今回は扶養家族や扶養控除を英語で表現する方法をご紹介します。外国の方と働く時や、日本の税制度の話をするときに役に立つので、是非この機会に覚えてみて下さい!
扶養を英語で言うと?
扶養は英語で以下のように言います。
- support / maintenance (名詞:扶養)
- support / maintain(動詞:扶養する)
“support”という動詞は、「支える、支持する、扶養する」という意味があり、”maintain”は「維持する、保つ、〈家族など〉を養う」という意味です。 使い方を例文で確認しましょう。
- He has a large family to support.
(彼は多くの扶養家族がいる。) - He has a family of three to support.
(彼には3人の扶養家族がいる。) - We have a duty to maintain our children.
(私たちは子供を扶養する義務がある。)
今回は、日本の税制度上の「扶養」のお話ですが、外国にも日本の「扶養控除」のような税制度上の優遇はあります。例えば、アメリカ、イギリスは児童税額控除(Child Tax Credit)、ドイツや韓国は児童手当(Child Allowance)がそれに近いものです。
また、日本には扶養控除とは別に「配偶者控除」という優遇があります。韓国やカナダなど配偶者控除がある国もありますが、アメリカ、イギリス、ドイツなどにはありません。
扶養家族を英語で言うと?
扶養家族を英語で言うとアメリカでは”dependents”、イギリスでは”dependants”となります。この形は複数形なので、1人の場合はdependentまたはdependantです。
日本の所得税法においては、扶養家族は正式には「扶養親族」と呼びますが、その中に配偶者(spouse)は入りません。そのため、このdependents(dependants)は配偶者を含まない扶養家族のことです。
また、“dependent”という単語は、「扶養される人、扶養家族」という名詞としてだけでなく「頼っている、従属している、扶養されている」という形容詞の用法もあります。
名詞、形容詞としての例文をそれぞれ確認してみましょう。
- 名詞として
Do you have any dependents?
(扶養家族はいますか?) - 形容詞として
She doesn’t want to be dependent on her parents.
(彼女は親に扶養されたくない。)
扶養控除を英語で言うと?
控除は”exemption”、”deduction”または”allowance”です。国税庁は確定申告の説明で、”exemption”を使用しています。
こららの語の前に、前項で解説した”dependents”(扶養家族)を付け、”exemption for dependents”とすることで「扶養控除」を表現することができます。
また、配偶者は扶養家族に含まれませんが、配偶者控除という優遇があると前述しました。「配偶者控除」と言いたい場合、扶養控除と同様に、配偶者という”spouse”を使って”exemption for spouses”と表現します。
「扶養に入る」を英語で言うと?
「入る」というと”enter”や”get in”を思い浮かべる方も多いかと思いますが、それは「(建物や場所)に入る」と言う時に使います。 「扶養に入る」の「入る」は、日本語の独特な表現となるためこれらの語は使えないことに注意しましょう。そこで、「扶養に入る」と言いたいときには、「扶養家族になる」や「扶養される」というように表現することになります。
例えば、次のように説明することができます。
- I am my husband’s dependent.
(私は夫の扶養に入っています。) - I became my husband’s dependent after we got married.
(結婚後、私は夫の扶養に入った。)
「扶養」の英語を覚えて日本の税制度を解説してみよう!
一見、扶養という特別な言葉があるのかなと思われがちですが、普段カタカナでも使う”support”でも十分伝わります。それに加えて、扶養家族や扶養控除などの英語表現も覚えると、外国の方と働く時や日本の税制度を説明する時に役立ちますよ。税制度は国ごとに異なりますので、他の国の制度について学ぶのも興味深いかもしれませんね。ぜひ、本記事を参考に、日本の税制度に関する英語を覚えていきましょう!