
外国の方の名前をみると、日本と比べると同じような名前が多いなと思ったことはありませんか?例えば、男性のJohnやDavid、Noah、女性のMaryやSarah、Emilyなど…。どれも教科書やテキストでよく見る名前ですよね!はたして外国の方はどうやって名前を付けているのでしょうか?本記事を読めば、その理由がわかります!
クリスチャンネームとは?
Christian name(クリスチャンネーム)は日本語では「洗礼名」のことで、”baptismal name”と言われることもあります。伝統的には生まれたばかりの赤ちゃんが、洗礼(キリスト教徒になる儀式)の際に授けられる名前のためそう呼ばれています。
ただし、今日では日本の名前同様に欧米でも、ほとんどの場合子どもの名前は両親や名付け親によって名付けられます。そして、洗礼時に神父が「これがあなたの洗礼名です。」と宣言することで、それがその人の洗礼名となるのです。そのため、洗礼名=first name、given nameということになります。日本でいう「太郎」や「花子」などの個人名(下の名前)ですね。
欧米では、親がキリスト教徒の場合、このように親がクリスチャンネームを決め、クリスチャンネーム=下の名前となるパターンが一般的です。親がキリスト教ではない人などが後に改宗しキリスト教徒になる場合は、洗礼時に洗礼名を授かったり、相談して決めることもあります。
カトリック教会では「洗礼名」または「霊名」、正教会(ギリシャ正教会/東方正教会)では「聖名(せいな)」、聖公会では「教名(きょうめい)」と、教派によって呼び名が異なります。
プロテスタントにおけるクリスチャンネーム
後述しますが、クリスチャンネームは聖書の登場人物、聖人、天使の名前、または神話から名付けられることが多いです。しかし、プロテスタント(キリスト教の教派の1つ)は、聖書中心主義でカトリック教会や正教会などのように聖母マリアや聖人の崇敬を行いません。そのため、特に洗礼名を付けないことが多いです。
クリスチャンネームの付け方
クリスチャンネームは、聖書の登場人物、聖人、天使の名前、または神話から名付けられることがほとんどです。日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、聖人とは生前に信仰と徳にとりわけ優れたため、死後に称号を与えられ崇拝される人物のことです。日本語では「聖~」、英語では”Saint~”または省略形の”St.~”と呼ばれています。
クリスチャンネームの例(女性)
クリスチャンネームの例を、旧約聖書に由来、新約聖書に由来、聖人に由来、天使に由来の4つに分けてご紹介します。男性名が女性名に変化したものも含まれます。
旧約聖書に由来 | Eve, Rebbeca, Sara, Sharon など |
新約聖書に由来 | Elizabeth, Mary, Jane など |
聖人に由来 | Agnes, Barbara, Catherine, Nicole, Patricia など |
天使に由来 | Michelle, Ariel, Angela など |
h3クリスチャンネームの例(男性)
続いて、男性のクリスチャンネームの一例です。
旧約聖書に由来 | Aaron, Adam, David, Jacob, Noah など |
新約聖書に由来 | John, Luke, Matthew, Peter, Simon など |
聖人に由来 | Denis, George, Patric など |
天使に由来 | Michael, Raphael, Gabriel など |
日本の芸能人・著名人のクリスチャンネーム
日本の芸能人や著名人の中にもクリスチャンでクリスチャンネームを持っている方がいらっしゃいます。しかし、日本では正式に戸籍に記載することはできないので、欧米のように個人名として戸籍に記載されているわけではありません。
麻生太郎(第92代総理大臣) | Francisco(フランシスコ) |
長嶋一茂(元野球選手・タレント) | Paulo(パウロ) |
加藤一二三(元プロ棋士) | Paulo(パウロ) |
新渡戸稲造(日本の教育者・思想家) | Paulo(パウロ) |
つるの剛士(俳優・タレント) | Antonio(アントニオ) |
細川ガラシャ(歴史上の人物・明智光秀の娘) | Gracia(グラツィア) |
クリスチャンネームを理解しよう
クリスチャンネームについて、今回初めて理解したという方も多いでしょう。アメリカは近年宗教離れが進んでいると言われていますが、キリスト教徒は人口の60%強なのに対し、日本は1%程度と言われています。この数字からも日本人にとってキリスト教はあまり馴染みがないというのも納得ですね。外国の方の名前の多くは、読み方は英語やラテン語、その他の言語で若干違えど、聖書の登場人物や聖人からとられ、キリスト教と密接に関わっているということをご理解いただでしょう。ぜひこの記事をきっかけに、キリスト教への理解を深めてみてくださいね。