映画や小説などで thou / thy / thee / thine という英語を見聞きしたことはありませんか?例えば、聖書やシェークスピア、歴史ファンタジーや中世が舞台となる映画やドラマで使われていたりします。本記事では、学校の教科書では見かけない thou / thy / thee / thine ついて解説しますね。
thou / thy / thee / thine は、”you”の古い言い方です。現在では、祈りなどの神への呼びかけといったときに用いることはありますが、日常会話では一部の方言を除いてはほぼすべてにおいて”you”に置き換わっています。古い語であることを強調し、日本語では「汝(なんじ)」と訳されることが多いです。
現代語 | 古い英語 | 意味 |
you | thou | 汝は、汝が |
your | thy / thine※ | 汝の |
you | thee | 汝に、汝を |
yours | thine | 汝のもの |
※thyは通例子音で始まる語の前で、thineは母音またはhで始まる語の前で用いる
発音をカタカナで書けば、”thou”は「ザウ」、”thy”「ザイ」、”thine”「ザイン」、”thee”「ジィー」のようになりますが、あくまでも”th”の発音なのでお気を付け下さいね。
【例文】
- Wherefore art thou Romeo?
(どうしてあなたはロミオなの。) - Thou shalt love thy neighbour as thyself?
(汝の隣人をおのれのごとく愛すべし。) - Know thine enemy.(汝の敵を知れ。)
上記の例文では、thou / thy / thee / thine 以外にも are→art、shall→shalt と変化しています。このartやshaltも古い英語です。
ちなみに、現代の”you”は単数(あなた)と複数(あなたたち)の両方の役割をしますが、この thou / thy / thee / thine は単数の意味だけを持つ「二人称単数代名詞」です。
日本語にも古文や漢文があるように、英語にも古い表現があります。本や映画などで見ることがあったら是非思い出してくださいね。