日本語の「深まる」には様々な使い方がありますが、英語でも同じように使うのだろうかと疑問に思ったことはありませんか?本記事では「絆、仲が深まる」「理解が深まる」「秋が深まる」といった英語表現をご紹介します。この記事を読めば、英語の「深まる」についてのイメージがつかめるようになるはずです。それではさっそく見ていきましょう!
「深まる」を英語で言うと?
皆さんご存じの”deep”は「深い」という形容詞ですが、”deepen”とすると「~を深める」という動詞になります。”en”は形容詞や名詞を動詞に変える働きがあります。この”deepen”を使い表現していきましょう。
「絆が深まる」「仲が深まる」の英語表現
「絆が深まる」「仲が深まる」などの表現について詳しく見ていきましょう。先ほどの”deepen”に”bond”(絆)という名詞をつければOKです。「絆」は”tie”ということもできますが、”bond”の方がより強く、一体と感じられる結びつきを表します。また、「絆」以外にも「友情」や「愛」にも使えます。
いくつか例文を見ていきましょう。
- Thanks to the trip, the bonds between us deepened.
(旅行のおかげで、私たちの絆が深まった。) - We are able to deepen our friendship.
(私たちは友情を深めることができた。) - My love for you is getting deeper.
(あなたに対する愛は深まっている。)
3つ目の文では形容詞の”deep”を比較級にし、”get”「~(の状態)になる」という動詞と共に使いました。”get”は”become”と同じ意味ですが、”get”の方がより口語的です。
「理解が深まる」の英語表現
「理解が深まる」の「深まる」はどのように表現したらよいでしょうか?基本的には先ほどの”deepen”を使うことができます。「理解」は”understand”の名詞形”understandingです。しかし、ここで”deepen”を使うと少し堅い感じがするので、他の使いやすい例も併せてご紹介します。
- This book will deepen the understanding of Japanese culture.
(この本は日本文化についての理解を深めます。) - They try to understand each other better.
(彼らはお互いをより良く理解しようと努めます。)→(理解が深まるよう努めます。)
2つ目の例文は「理解が深まる」の直訳ではありませんが、より口語的でナチュラルな言い回しです。
「秋が深まる」の英語表現
それでは「秋が深まる」はどうでしょうか?
まず、日本語では「深まる」と表現するのは秋だけですが、英語ではどの季節にも使えます。秋はイギリスでは一般的に”autumn”、アメリカでは”fall”です。ちなみに、イギリスでは8月9月10月、アメリカでは9月10月11月頃を秋とするとされています。
この「秋が深まる」という場合も”deepen”が使えますが、前項の「理解が深まる」同様に少し堅いイメージです。そこで、”deepen”を使わない表現も併せてご紹介します。
- As fall deepens, wind and rain have taken down the leaves.
(秋が深まるにつれて、雨風が葉っぱを落としています。) - It is starting to feel more like fall/autumn.
(だんだん秋らしくなってきている。) - Fall is completely here.
(秋は完全にここにある。)→(秋真っ盛り。) - Fall is in full swing.
(秋は最高潮です。)→(秋真っ盛り。)
後半の2つは「秋が深まる」の直訳ではありませんが、「秋真っ盛り」というニュアンスを伝えられる表現としてとても自然な言い回しです。
さて、季節のことになると出てくる問題が1つ。それは”the”を付けるかどうかです。おそらくみなさんも、”the”があるバージョンとないバージョンの両方を見たことがあるのではないでしょうか?
基本的に、”the”を付けるのは「〇年の春」「その冬」などいつの季節かを特定する場合です。例えば、”In the spring of 2007”(2007年の春)のようなケースでは”the”が必要となります。
また、イギリス英語では基本的にこのような特定の季節を表すとき以外は”the”を付けませんが、アメリカ英語では特定の季節でなくても”the”を付ることがあります。
シチュエーションごとの「深まる」を英語で表現しよう!
今回は様々な「深まる」という表現をご紹介しました。直訳すると”deepen”ですが、少し堅いイメージになってしまい、表現によっては会話ではあまり使われません。そこで”deepen”を使った表現以外にも自然な言い回しを練習してみましょう。
また、日本語では「深まる」のは秋だけですが、英語では春、夏、冬にも使えるというのが驚きですね!日本ほど、四季がはっきりした国は他になく、国や地域によって四季や気候の特徴も違うので、全ての季節に使えるのかもしれませんね。季節の話題は洋の東西を問わず、会話のとっかかりとしてとても便利です。ぜひ皆さんも使ってみて下さい!